大室 佑介 『想起』 -アドルフ・ロースへの手紙-
Yusuke Omuro
2008年1月21日(月)~2月2日(土)
日曜休廊 12:00-7:00pm 金曜日のみ12:00-9:00pm
Vernissage: 1/21 5:00-7:00pm
秋山画廊 - アクセスマップ
想起ーアドルフ・ロースへの手紙ー
我々が森の中を歩いていて、シャベルでもって長さ6フィート、幅3フィート程の大きさのピラミッドの形に土が盛られたものに出会ったとする。 我々はそれを見て襟を正す気持ちに襲われる。 そして、それは我々の心の中に語りかけてくる。 「ここに誰か人が葬られている」と。 これが建築なのだ。
アドルフ・ロース 「建築について」(1908)
墓標のない墓は
その場所に”誰か”が眠っていることは語っても
”誰が”眠っているかは語らない。
何かを語ってはいるが、具体性を欠いている。
つまりその墓は、何らかの余白を宿している。
芸術と呼ばれる全てのものは
この”余白”を内包するために
存在しているのではないだろうか。
鑑賞者は
作品の創り出すその空虚な余白に
過去の記憶や体験を援用しながら
身体そのものを滑り込ませ
自身の物語を完成させ
新たな記憶の抽斗にしまう。
もはやそこには作家は存在せず
鑑賞者の紡ぎ出す物語だけが残るだろう。
その過程における想起とは
”語らない余白”を語るための、そして
”見えないもの”を見ようとするための
小さな契機にすぎない。



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