2.展覧会

渡辺 剛 Universal Scope 展

WATANABE Go

2009年6月15日(月)~7月4日(土)
日曜休廊 12:00-7:00pm 最終日:5:00pm迄
Vernissage: 6/15(月) 5:00-7:00pm

渡辺 剛

Universal Scope

コンピューターのキーをたたきながら、「人類の進歩」を考えることがあるというと大げさなことと思われそうですが、この最新の道具は日常に使われだしてから時間が短く、今でも日進月歩の機能の開発に驚かされることがあるからです。10~20万年あまり前に出現したといわれる人類があらゆる生物より優位に歩んでこられたのはこの「道具を用いる知性」によるものが大きいと思いますが、本当に「進歩」してきているのか、この20世紀発の新しいコミュニケーションツールを使いながら思案してしまうのです。
人類がこの特質を得てからさまざまなかたちで繁栄をしてきましたが、特にこの150年あまりはそれ以前からは比べようもないほどに、早く大きくその立場を拡大しています。
しかしその「知性」を持ち栄華を享受する反面、自らの矛盾に回答しなければならない宿命を持っている人間は、良くも悪くも生物界のなかにおいて「知という異端を背負った存在」といえるのではないでしょうか?
その人間が発見をした化石燃料の利用で、より早くより多くのものを運べる内燃機関をもつ移動手段を獲得するに至り、20世紀という時代は激しい歴史の動きを見せたことはいうまでもありません。そして、この21世紀に入って本格化したコンピューターという道具の出現で身体を伴うことなく、仮想空間を移動し言葉と音と映像などの情報を一瞬のうちに自らのものにできる手段を、またひとつ加えています。

海辺を歩くことが、散歩のなかでも最も好きです。
波打ち際に立って浜辺をよく見ればそのなかには、多数の遠隔地から流れ着いた漂着物や、時間の波間を漂ってきた物体が見え隠れしていつまでもあきることがありません。それらをみつめて佇めばいつのまにか無限の世界を歩いていたり、又繰り返す波の音を聴きながら足元に転がる砂をみつめていると、時間の壁を越えて原初の時代に軽々と移動できる感覚にとらわれます。

この作品は、情報の海であるインターネットの世界に浮遊する「歴史のかけら」をあたかも砂浜から漂流物を拾い上げるようにして制作しています。それらは、移民・戦争・覇権・貿易・布教など「知性」を持った人類が、移動手段の発展とともに対峙し超えなければならない本来的あるいは普遍的な人間の思考と行動の矛盾と、その葛藤を伝えてくれていました。

秋山画廊 - アクセスマップ

ページ上へ